ポーカー(テキサスホールデム)で圧倒的に有利な状況から逆転負けすることをバッドビートと呼びます。誰もが経験する悔しい瞬間ですが、バッドビートの正しい理解がメンタル管理と長期的な成績向上に繋がります。
この記事では、バッドビートの意味・代表的なパターン・具体例・メンタルへの影響・正しい向き合い方を解説します。
バッドビートとは?
バッドビート(Bad Beat)とは、エクイティ(勝率)で大きく有利な状況から、低確率のアウツを引かれて負けることです。「悪い負け方」という意味で、確率的に起こりにくい結果によって敗北する状況を指します。
例えば、フロップ時点でエクイティ95%の状態から残り5%を引かれて負けた場合、これは典型的なバッドビートです。ポーカーは確率のゲームなので、どんなに有利でも100%ではなく、バッドビートは避けられません。
代表的なバッドビートのパターン
| パターン | 状況 | 勝率の目安 |
|---|---|---|
| セット vs フラッシュドロー | フロップでセットを持っていたが、ランナーランナーでフラッシュに逆転された | 約75〜80%から負け |
| オーバーペア vs 2アウツ | AAでオールインしたが、相手のKKにターンでKを引かれた | 約80%から負け |
| フルハウス vs クワッズ | フルハウスで全力でバリューベットしたが、相手がフォーカード(クワッズ)だった | ほぼ0%で勝てない |
| ストレート vs フラッシュ | ターンでストレートが完成したが、リバーでフラッシュカードが落ちて逆転 | 約75%から負け |
| 1アウツのリバーキャッチ | リバーで残り1枚のカードだけが相手の勝ちになる状況で、その1枚を引かれた | 約98%から負け |
バッドビートの具体例
例1:AA vs KK — プリフロップオールイン





プリフロップでオールイン。あなたは A♠
A♥
、相手は K♦
K♣
です。
- プリフロップのエクイティ:AA約82% vs KK約18%
- フロップ:5♦
3♥
2♠
— AAが依然として大幅有利 - ターン:K♣
— 相手にKのセットが完成。AAは逆転され、残りアウツは1枚のA(約4%) - リバー:7♥
— Aは来ず、KKの勝利。典型的なバッドビート
例2:セット vs ランナーランナーフラッシュ





フロップでセットを持っていたのに、ターンとリバーで連続してハートが落ち、相手のフラッシュが完成。フロップ時点では約75%のエクイティがありましたが、ランナーランナー(連続して必要なカードが落ちる)で逆転されるバッドビートです。
バッドビートとメンタル
バッドビートがポーカーで最も危険なのは、ハンドの結果そのものではなく、メンタルへの影響です。
ティルトとの関係
バッドビートを受けた後、怒りや悔しさから冷静な判断ができなくなる状態をティルトと呼びます。バッドビート → ティルト → 誤ったプレイ → さらなる損失、という悪循環に陥ると、1回のバッドビートの何倍もの損失を被ることがあります。
結果バイアス
バッドビートに遭遇すると、「自分のプレイが間違っていたのでは?」と考えがちですが、これは結果バイアスです。正しい判断をして95%の勝率でオールインしたなら、たとえ負けてもそのプレイは正解です。短期的な結果ではなく、長期的な期待値で判断することが重要です。
バッドビートとの正しい向き合い方
- 確率的に避けられないと理解する:ポーカーは確率のゲーム。100回に5回は5%の事象が起きる。バッドビートは「異常」ではなく「正常」な出来事
- プレイの質を評価する:結果ではなく、その判断が期待値的に正しかったかを振り返る。正しいプレイで負けたなら、自分を責める必要はない
- ティルトの兆候に気づく:怒り・焦り・復讐心を感じたら、それはティルトの兆候。テーブルから離れる勇気を持つ
- 長期的な視点を持つ:1ハンドの結果は無意味。数千〜数万ハンドの結果が実力を反映する。短期的なバッドビートに一喜一憂しない
- バッドビートは利益の源泉でもある:相手が不利な状況でもコールしてくるからこそ、長期的に自分が利益を得られる。バッドビートをもたらすコールは、長い目で見れば自分の利益に繋がっている
よくある間違い
- 「自分だけバッドビートが多い」と思う:人間は負けた記憶の方が強く残る(ネガティビティバイアス)。実際には全員が同じ頻度でバッドビートを経験している
- バッドビート後にリベンジプレイをする:取り返そうとしてプレイが荒くなり、さらに損失を広げる。これが最も避けるべきパターン
- バッドビートを言い訳にする:「バッドビートさえなければ勝っていた」という考えは上達を妨げる。バッドビート以外のリーク(弱点)にも目を向ける
- バッドビートの話を延々とする:他のプレイヤーにバッドビートの愚痴を語り続けることは、メンタルの回復に繋がらない。過去のハンドを分析するなら、結果ではなく判断の質に焦点を当てる
まとめ
バッドビートは、有利な状況から低確率で逆転負けする現象で、ポーカーでは避けられない出来事です。重要なのはバッドビートそのものではなく、それに対する自分のメンタルの反応です。
正しいプレイで負けたなら自分を責めず、ティルトに陥らないようにコントロールし、長期的な視点でプレイを続けること。それがバッドビートとの正しい向き合い方であり、ポーカーで勝ち続けるための心構えです。