ポーカー(テキサスホールデム)では「何をするか」だけでなく「いくらベットするか」も重要な戦略要素です。ベットサイジングを適切に設定することで、バリューの最大化やブラフの成功率を高められます。
この記事では、ベットサイジングの意味・代表的なサイズ・サイジングを決める要素・ボード別の使い分け・注意点を解説します。
ベットサイジングとは?
ベットサイジング(Bet Sizing)とは、ベットやレイズの金額をどのくらいに設定するかという判断のことです。同じベットというアクションでも、サイズによって相手に与えるプレッシャー、相手のコールオッズ、そしてポット全体の期待値が大きく変わります。
例えば、ポットが20BBの場面で5BBのベット(25%ポット)と20BBのベット(100%ポット)では、相手の判断がまったく異なります。小さなベットは相手にコールされやすく、大きなベットは相手にフォールドされやすい。この性質を理解して使い分けることがベットサイジングの本質です。
代表的なベットサイズ
| サイズ | ポット比 | 相手のコールオッズ | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| スモールベット | 25〜33% | 17〜20% | 高頻度CBet、ドライボードでの広いレンジベット |
| ミディアムベット | 50〜66% | 25〜28% | 標準的なバリューベット・ブラフ |
| ラージベット | 75〜100% | 30〜33% | 強いバリュー・大きなブラフ |
| オーバーベット | 100%超 | 33%超 | 極端なポラライズ(ナッツ or ブラフ) |
具体例:ボード別のサイジング使い分け
ドライボード → スモールベット



Aハイのドライボード(フラッシュドローやストレートドローが少ない)では、プリフロップレイザーのレンジが大きく有利です。ここでは小さいサイズ(25〜33%ポット)で高頻度にCBetを打つのが効果的です。
あなたがCOで A♠
Q♥
を持っている場合、フロップで2BBのベット(33%ポット)で十分です。小さなサイズでも、ドライボードでは相手はミスした多くのハンドをフォールドします。
ウェットボード → ラージベット



ストレートドローやフラッシュドローが豊富なウェットボードでは、大きいサイズ(75〜100%ポット)でベットすることで、相手のドローに不利なオッズを提示します。
例えば J♦
J♣
でセット(トリップスJ)を持っている場合、大きなサイズでバリューベットを打ち、相手のドローから最大限のチップを引き出します。
サイジングを決める3つの要素
1. ボードテクスチャ
ドライボードでは小さく広く、ウェットボードでは大きく狭くが基本です。
- ドライ(A83r、K72r等):スモール〜ミディアム。相手のレンジにミスが多い
- ウェット(JT9、876ss等):ミディアム〜ラージ。ドローに不利なオッズを提示
2. レンジアドバンテージ
自分のレンジが相手のレンジより強い場合(レンジアドバンテージがある場合)、小さいサイズで高頻度にベットできます。逆にレンジの差が小さい場合は、大きいサイズで低頻度にベットする方が効率的です。
3. ベットの目的
- バリュー:相手がコールできるギリギリのサイズ。大きすぎると降りられ、小さすぎると利益を逃す
- ブラフ:相手がフォールドするのに必要最小限のサイズ。必要以上に大きくベットするとリスクが増える
- プロテクション:相手のドローに不利なオッズを提示する。ウェットボードでは大きなサイズが必要
ストリート別のサイジング傾向
| ストリート | 一般的なサイズ | 特徴 |
|---|---|---|
| フロップ | 25〜75%ポット | レンジが広いため、状況に応じて幅広いサイズを使用 |
| ターン | 50〜75%ポット | レンジが絞られ始め、やや大きめのサイズが増える |
| リバー | 50〜150%ポット | レンジがポラライズし、バリューとブラフで大きなサイズも使用 |
よくある間違い
- いつも同じサイズでベットする:「毎回ハーフポット」のようなパターン化したサイジングは、相手に読まれやすい。ボードやレンジに応じて使い分けることが重要
- バリューとブラフでサイズを変える:強いハンドでは大きくベット、ブラフでは小さくベットするプレイヤーが多いが、これではサイズでハンドの強さがバレてしまう。同じ状況では同じサイズを使うのが基本
- ドライボードで大きくベットする:A83rのようなドライボードでポットサイズのベットを打っても、相手のコールレンジが狭まるだけで、小さなベットで同じ効果が得られることが多い
- オッズを考慮しない:ベットサイズは相手に提示するオッズを直接決定する。ドローが多いボードで小さくベットすると、相手にお得なオッズでドローを追わせてしまう
- ポットサイズを把握していない:正確なサイジングにはポットサイズの把握が不可欠。常にポットの額を意識してベットする習慣をつけましょう
まとめ
ベットサイジングは、ポーカーの収益性を左右する重要な戦略要素です。ボードテクスチャ・レンジの優位性・ベットの目的を総合的に判断して、最適なサイズを選択しましょう。
小さなベットは高頻度で使いやすく、大きなベットは強いバリューやブラフでポットを膨らませるのに適しています。状況に応じた使い分けが、長期的な収益の向上につながります。