ポーカー(テキサスホールデム)において、ドンクベットはしばしば「悪手」と見なされるアクションですが、適切に使えば有効な武器になります。
この記事では、ドンクベットの意味・なぜ避けられるのか・有効な使い方を解説します。
ドンクベットとは?
ドンクベットとは、プリフロップでアグレッサー(レイズした側)ではない人が、フロップで先にベットするアクションのことです。
通常、プリフロップでコールした側(ディフェンダー)はフロップではチェックし、アグレッサーにCBetを打つかどうかの選択権を渡すのがセオリーです。このセオリーに反して先にベットすることを「ドンクベット」と呼びます。
「ドンク(donk)」は「ドンキー(donkey=ロバ)」の略で、初心者を指すスラングです。初心者がよくやるプレイだったことが名前の由来です。
ドンクベットの具体例



















プリフロップでCOが A♥
K♥
でオープンレイズし、BBがコール。フロップ 10♦
8♥
5♠
でBBが先にベット。これがドンクベットです。
なぜドンクベットは避けられるのか
ドンクベットが一般的に「悪手」とされる理由は以下の通りです。
1. レンジアドバンテージの放棄
プリフロップのアグレッサー(レイザー)は通常、コーラーよりも強いハンドレンジを持っています。コーラー側がベットすると、アグレッサーのCBetを引き出す機会を失い、レイズされたときに困ることが多くなります。
2. 情報を与えてしまう
ドンクベットは「このフロップでヒットした」というメッセージを相手に送ってしまうことが多いです。
3. チェックレイズの方が利益的
強いハンドを持っている場合、チェックして相手のCBetを引き出し、それに対してチェックレイズした方がポットを大きくでき、利益が大きくなります。
ドンクベットが有効な場面
現代ポーカーでは、特定の状況でドンクベットが理論的に正当化されることがわかっています。
1. コーラー有利なボード
7♦
6♥
5♠
のようなミドル〜ローカードが連続したボードでは、コーラーのレンジが有利です。このようなボードでは、アグレッサーのCBet頻度が低くなるため、チェックしても相手がチェックバックしてフリーカードを与えてしまう可能性があります。
ドンクベットすることで、自分のドローやメイドハンドでバリューを取りつつ、ポットをコントロールできます。
2. マルチウェイポット
3人以上が参加しているポットでは、アグレッサーのCBet頻度が下がります。フロップで強いハンドやドローを持っている場合、ドンクベットでポットを大きくすることが有効です。
3. 3ベットポットのアウトオブポジション
3ベットにコールしてOOPでプレイしている場合、特定のボードでドンクベットが理論的に推奨されることがあります。SPR(スタック・ポット・レシオ)が低い場面で、スタックをポットに入れるためにドンクベットが有効です。
ドンクベットのサイズ
| 目的 | サイズの目安 | 使い方 |
|---|---|---|
| バリュー | ポットの50〜75% | 強いハンドで相手からバリューを取りたいとき |
| プロテクト | ポットの33〜50% | 中程度のハンドでドローに対してオッズを悪くしたいとき |
| ブロック | ポットの25〜33% | 相手の大きいベットを防ぎたいとき(ブロックベット) |
ドンクベットされた側の対応
相手がドンクベットしてきた場合の対応を考えましょう。
- 初心者のドンクベット:ほとんどの場合「何かヒットした」のサイン。中程度のハンドなら降りることも選択肢
- 上級者のドンクベット:戦略的に使っている可能性あり。レンジ全体で考えて対応する
- レイズ:相手のドンクベットに対してレイズすることで、情報を得つつポットを大きくできる
- コール:強いハンドでフロートし、ターン以降にアクションを取る
よくある間違い
- すべてのドンクベットが悪手と考える:状況次第ではドンクベットは理論的に正しいプレイです。固定観念にとらわれず判断しましょう
- 弱いハンドでドンクベットする:ヒットしていないのにドンクベットすると、レイズされて困ります。ドンクベットは明確な目的を持って使いましょう
- ドンクベットの頻度が高すぎる:毎回ドンクベットすると読まれます。通常はチェックが基本で、特定の条件を満たした場合のみドンクベットを使いましょう
まとめ
ドンクベットは、プリフロップのコーラーがフロップで先にベットするアクションです。一般的には避けるべきですが、コーラー有利なボード・マルチウェイポット・3ベットポットなど特定の場面では有効なプレイです。「基本はチェック、条件が揃ったらドンクベット」という判断基準を持ちましょう。