ポーカー(テキサスホールデム)において、フロートは相手のCBetに対抗するための高度なブラフテクニックです。
この記事では、フロートの意味・仕組み・成功させるための条件と注意点を解説します。
フロートとは?
フロートとは、フロップで相手のCBetに対し、自分のハンドが弱いにもかかわらずコールし、後のストリート(主にターン)で相手がチェックしたときにベットしてポットを奪うプレイのことです。
英語の「float(浮く)」が語源で、弱いハンドで一旦フロップを「やり過ごす」イメージからこの名前がついています。相手のCBetが広いレンジで打たれている(ブラフが多い)と判断したとき、コールで受けて後から主導権を奪い取る戦術です。
フロートは単なるコールではなく、ターン以降にブラフベットするプランを持ったコールである点が重要です。
フロートの仕組み
フロートは以下の流れで成立します。
- フロップ:プリフロップのアグレッサーがCBetを打つ。自分は弱いハンドだがコールする
- ターン:相手がチェックする(CBetがブラフだったため、ターンでは続けて打てない)
- 自分がベット:相手のチェックを見て、ベットしてポットを奪う
フロートが機能する理由は、多くのプレイヤーがフロップでCBetを打った後、ターンではブラフを継続しない(ダブルバレルを打たない)傾向があるからです。CBetの多くはブラフであり、コールされるとターンでチェックに回ることが多いため、そこを突くのがフロートの狙いです。
フロートの具体例



















プリフロップでCOが A♠
J♦
でオープンレイズし、BTNがコール。フロップは K♥
8♦
3♠
。COがCBet(3BB)を打ちます。
BTNは 7♠
6♠
と弱いハンドですが、ここでコール(フロート)します。COはKをヒットしておらず、CBetはブラフである可能性が高いと判断したためです。
ターン:COがチェックしました。BTNはここでベット(ポットの60〜75%程度)を打ちます。COはフロップのCBetにコールされた上にターンでもベットされ、AJではコールしづらいためフォールドします。
これがフロートの典型的な成功パターンです。BTNはショーダウンでは勝てないハンドでポットを獲得しました。
フロートが有効な条件
1. インポジションであること
フロートはIP(インポジション)で行うのが基本です。相手のターンのアクションを見てから判断できるため、チェックされたらベット、ベットされたらフォールドという柔軟な対応が可能です。
2. 相手がCBetの後にターンで諦めやすい
フロップでCBetを打つが、コールされるとターンではチェックに回るタイプのプレイヤーに対してフロートは非常に有効です。ダブルバレルの頻度が低い相手を狙いましょう。
3. ドライなボード
K♥
8♦
3♠
のようなドライボードでは、相手のCBetがブラフである可能性が高くなります。ウェットボードでは相手がヒットしている確率が上がるため、フロートのリスクが増します。
4. ヘッズアップであること
フロートは1対1の状況で有効です。マルチウェイでは、他のプレイヤーが強いハンドを持っている可能性があるため、フロートは危険です。
5. バックドアドローがあるとなお良い
完全なエアー(何もないハンド)よりも、バックドアフラッシュドローやバックドアストレートドローがある方が安全です。ターンでドローが完成しなくてもエクイティの補助になります。
フロートの注意点
1. OOP(アウトオブポジション)でのフロートは避ける
OOPでフロートすると、ターンで先にアクションしなければなりません。チェックした後に相手がベットしてきた場合、ブラフなのかバリューなのか判断が難しくなります。OOPでのフロートは基本的に避けましょう。
2. コーリングステーションには使わない
ターンでベットしてもフォールドしない相手に対してフロートしても意味がありません。フォールドエクイティがあることがフロートの前提条件です。
3. スタックが浅い場合は不向き
フロートはフロップでコールし、ターンでベットするため、チップを2回使います。スタックが浅いとリスクに見合わないため、ある程度の深いスタックが必要です。
よくある間違い
- 毎回フロートする:CBetにコールするだけの癖がつくと、相手に読まれてダブルバレルで攻められます。相手の傾向やボードを見て選択的にフロートしましょう
- ターンでベットしない:フロートのプランはターンでベットすることです。せっかくフロートしたのにターンでもチェックしてしまうと、ただのコールドコール(チップの無駄遣い)になります
- OOPで無理にフロートする:ポジションがないままフロートすると、ターンで主導権を取りづらく失敗率が上がります。フロートはIPが原則です
- ウェットボードでフロートする:ドローが多いボードでは相手がヒットしている確率が高く、ターンでチェックしてくれないことが多いです。ドライボードを選びましょう
まとめ
フロートは、相手のCBetをコールして後のストリートでポットを奪うブラフ戦術です。インポジション・ドライボード・相手がターンで諦めやすいという条件が揃ったときに有効です。やみくもにコールするのではなく、「ターンで相手がチェックしたらベットする」という明確なプランを持ってフロートしましょう。