ポーカー(テキサスホールデム)で安定した収益を上げるためには、ショーダウンでポットを勝ち取るだけでなく、ブラインドを効率的に獲得することが欠かせません。
この記事では、スチールの意味・有効なポジション・適したハンド・具体例・ディフェンス側の対策・注意点を解説します。
スチールとは?
スチール(Steal)とは、レイトポジション(CO・BTN・SB)から、前のプレイヤーが全員フォールドした場面でレイズを行い、ブラインドを獲得するプレイのことです。
スチールの最大の特徴は、必ずしも強いハンドが必要ないことです。前のプレイヤーが全員降りたということは、テーブルに強いハンドを持つプレイヤーが少ない可能性が高い状況です。残っているのはSBとBB(またはBBのみ)だけなので、フォールドエクイティ(相手を降ろせる確率)を活用してブラインドを回収します。
毎回のハンドで1.5BB(SB 0.5BB+BB 1BB)が強制的にポットに入るため、スチールの成功を積み重ねることが長期的な収益に直結します。
ポジション別のスチール特性
スチールはレイトポジションから行いますが、ポジションによって特性が異なります。
| ポジション | スチール頻度の目安 | レンジの広さ | 特徴 |
|---|---|---|---|
| CO(カットオフ) | 25〜30% | やや広い | BTNがまだ残っているため、3ベットされるリスクあり |
| BTN(ボタン) | 40〜50% | 広い | 最もスチールに適したポジション。ポストフロップでも常にIP |
| SB(スモールブラインド) | 35〜45% | 広い | BBしか残っていないが、ポストフロップでOOPになる点に注意 |
BTNが最もスチールに適している理由
BTNからのスチールが最も効果的な理由は2つあります。
- 残っているプレイヤーがSBとBBの2人だけ:両者がフォールドする確率がCOより高い
- コールされてもIPが確保される:ポストフロップで最後にアクションできるため、CBetやブラフで追加のエクイティを得られる
スチールに適したハンド
スチールでは広いレンジでレイズできますが、ハンドの質によって期待値が変わります。
| カテゴリ | ハンド例 | スチール適性 |
|---|---|---|
| プレミアム | A♠ A♥ 、K♦ K♣ 、A♠ K♦![]() |
◎ バリューレイズとしても最強 |
| ブロードウェイ | K♥ J♦ 、Q♠ 10♣![]() |
○ コールされてもポストフロップで戦える |
| スーテッドコネクター | 8♥ 7♥ 、6♦ 5♦![]() |
○ コールされた場合のプレイアビリティが高い |
| エニーAx | A♠ 3♣![]() |
○ Aのブロッカー効果でスチール成功率UP |
| 弱いオフスーテッド | 9♦ 4♣![]() |
△ BTNでのみ。コールされると厳しい |
スチールの具体例
典型的なBTNスチールのシチュエーションを見てみましょう。
状況
UTGからCOまで全員フォールド。あなたはBTNで Q♠
9♠
を持っています。スーテッドのブロードウェイカード+ミドルカードで、ポストフロップでのプレイアビリティも十分です。2.5BBにレイズしてスチールを狙います。
スチール成功時の利益
SB・BBともにフォールドし、1.5BB(SB 0.5BB+BB 1BB)を獲得しました。投資した2.5BBに対してリスクはありますが、SBとBBの両方がフォールドする確率は一般的に50〜65%程度あるため、長期的に見て非常に利益的なプレイです。
コールされた場合
BBがコールした場合でも、あなたはIPを確保しています。フロップでQか9がヒットすればトップペアまたはセカンドペア。ヒットしなくてもCBetでプレッシャーをかけられます。
スチールへの対策(ディフェンス)
スチール頻度が高いプレイヤーに対しては、ブラインドからの対抗策が重要です。
BBからのディフェンス
- 3ベット:強いハンドやブラフ3ベットで反撃する。スチール頻度が高い相手にはブラフ3ベットの頻度を上げる
- コール:ポジション不利でもハンドが十分強ければコールで受ける。特にスーテッドコネクターやAx系
- フォールド:本当に弱いハンドは素直にフォールド。ディフェンスのしすぎは逆効果
SBからのディフェンス
よくある間違い
- スチールの頻度が低すぎる:プレミアムハンドだけでしかスチールしないと、ブラインドを献上し続けることになる。レイトポジションからはもっと広いレンジでスチールすべき
- サイジングが大きすぎる:スチールは2〜2.5BBで十分。3BB以上にすると、失敗時の損失が大きくなり期待値が下がる
- ポストフロップの準備がない:スチールがコールされた後にCBetの計画がないと、ポットにチップを入れただけで終わってしまう
- SBからのスチールでコールを多用する:SBからのコールはOOPでプレイすることになり、レイズの方が優れている場面が多い
- 同じ相手にスチールしすぎる:頻度が高すぎると相手にアジャストされ、3ベット頻度を上げられてしまう
まとめ
スチールは、レイトポジションからブラインドを獲得する基本戦術です。特にBTNからのスチールは成功率が高く、ポストフロップでもIPが確保されるため、最も期待値の高いスチールポジションです。
適切なレンジ設定・サイジング・ポストフロップの準備を心がけ、長期的な収益につなげましょう。ただし、スチール頻度が高すぎると相手に読まれるため、テーブルの状況を見ながらバランスを取ることが大切です。













